
こんにちは。沖縄県南城市にある奥武島(おうじま)をご存知でしょうか?那覇空港から車で約30分、橋を渡って行ける小さな島です。
奥武島海神祭(ハーリー)は毎年旧暦5月4日(ユッカヌヒー)の日に開催さrれる島の伝統行事であり、一大イベントです。本記事では、奥武島ハーリーの魅力や見どころ、参加方法などを詳しく紹介します。
奥武島海神祭(ハーリー)とは?
ハーリーは、沖縄各地で旧暦5月4日(ユッカヌヒー)に行われる伝統行事で、船を漕ぐ競技を通して豊漁航海や航海安全を祈ります。
南城市奥武島(おうじま)は、天ぷらの名店で知られる観光スポットですが、実はこのハーリーこそが島で最も大きな年中行事であり、先祖代々受け継がれる大切な文化です。
奥武島のハーリーでは、東チームと西チームに分かれて七番勝負を競う「本バーリー」や、豪快なスタートや転覆競漕など、迫力あるハーリーが見られることで有名です。

奥武島ハーリーの特徴と見どころ
奥武島のハーリーには、他の地域では見られない独自の特徴があります。
ここでは、そんな奥武島ハーリーの魅力を3つご紹介します。
迫力満点!飛び込みハーリー(流れ船)
奥武島ハーリー最大の特徴は、なんといっても「飛び込みハーリー(流れ船)」です。
スタートの合図とともに、約5メートルの高さの奥武橋から、漕ぎ手が海へ一斉に飛び込みます。
その後、海に浮かんでいるサバニへ乗り込み、すぐさまスタートを切るという豪快な演出が見られます。
私は初めて見た時、すごい!!と釘付けになりました。
漕ぎ手たちも海に飛び込んだ直後に船へ乗り込むため、体力と技術、そして気合いが求められます。

わざと転覆!?クンケーラーシー(転覆競漕)
奥武島のもう一つの大きな魅力が「クンケーラーシー(転覆競漕)」です。
レースの途中でわざと船を転覆させ、海に落ちた漕ぎ手たちが再び船によじ登り、競漕を再開するという、他では見られない面白い競技です。
転覆した船を素早く立て直し、再び漕ぎ出す技とチームワークは、まさに海人(うみんちゅ)の底力を感じさせます。

御願から始まる神聖な行事
ハーリーは派手なレースだけではありません。もともと「海神祭」という呼び名の通り、神様への感謝や豊漁・航海安全を祈願する神事として古くから行われてきました。そのため、奥武島ではハーリー当日の朝、島の中心にある奥武観音堂で「御願(ウガン)」の儀式を行い、その後ハーリー船を観音堂から海へと担ぎ運びます。
地域の人々がいかにこの行事を尊び、大切にしているかを知ることができます。
奥武島海神祭(ハーリー)当日の流れ
奥武島海神祭(ハーリー)は、当日は大きく分けて以下の流れで進行します。
なお、実際のスケジュールは天候や進行状況によって前後することがあるため、早めに到着しておくのが安心です。
スケジュール概要
1) 開会式・神事(海上安全・豊漁祈願)
奥武観音堂での御願が終わったあと、海辺の会場で開会式と安全祈願が執り行われます。
2) 子どもや女性も参加するレース
地域の子どもや女性が乗り込むミニハーリーレースがあり、初心者でも参加できる場合があります。見ている側も微笑ましく、みんなで盛り上がれる時間です。
3) 本バーリー(7番勝負)
西(いり)チームと東(あがり)チームに分かれて激戦を繰り広げる「本バーリー」が最高潮の盛り上がりを見せます。迫力ある声援が飛び交い、観客からの応援も熱気に包まれます。
4) 職域ハーリー
地元企業や各種団体、さらには県外からも集まるチームによる職域対抗レース。ハーリー経験者も初めての人も混在した、大変盛り上がる部門です。
5) 閉会式
全レースが終了した後、表彰などを含む閉会式が行われ、1日続いた熱戦に幕を下ろします。
子ども・女性も参加できるレース
ハーリーと聞くと、男性の力強い競漕を想像しがちですが、奥武島では子どもや女性たちも参加できるカテゴリーが設定されているのが特徴です。漕ぎ手たちはレースを楽しみながらも、しっかりと真剣に競い合います。
こうした参加の幅広さが、地域で受け継がれる行事としての魅力をさらに高めています。
観戦時のポイントと注意点
ハーリー当日は、海辺で長時間過ごすことになるため、いくつか注意点を押さえておきましょう。
紫外線注意!日焼け対策を万全に
沖縄の日差しは本土よりも強烈で、紫外線量が多いとされます。特に海辺は日差しの照り返しも強いので、思いのほか早く日焼けしてしまうことも。以下のポイントを押さえておくと安心です。
- 日焼け止めをこまめに塗る
- 帽子やサングラスを活用する(現地は風が強いので日傘より帽子がおすすめ)
- 飲み物を十分に用意し、こまめに水分補給をする

混雑を見越した準備
奥武島ハーリーには例年4,000~5,000人ほどの見物客が集まるとされ、駐車場も限られています。
混雑を避けたければ早めに現地に到着し、観戦場所を確保しておくのが大切です。また、帰りの時間帯も集中しやすいため、時間に余裕をもった計画を立てるのがおすすめです。
奥武島海神祭(ハーリー)の参加方法
奥武島のハーリーは、見るだけでなく参加できる方法も用意されています。
職域ハーリーや一般体験乗船を利用して、ぜひ一度サバニを漕ぐ楽しさを味わってみませんか?
職域ハーリーへの参加
誰でも参加可能な「職域ハーリー」は、地域企業や団体、学校の仲間などがチームを組んでレースに挑みます。地元だけでなく県外からの参加者も多く、毎年40チームほどがエントリーするほどの人気ぶりです。
申込期間
例年、4月下旬~5月中旬頃。所定の申込書を奥武公民館に提出(持参またはFAX)。
参加費
大人1チーム20,000円(保険料込み)、小中高の学生チームは2,000円(保険料込み)。
定員・先着順
定員になり次第締切となるため、早めの申し込みがおすすめです。
職域ハーリーへの参加を通じて、チームワークの大切さや沖縄の伝統を肌で感じられる貴重な機会となるでしょう。
一般体験乗船を楽しもう
「いきなりレース参加はハードルが高い」という方でも大丈夫です。
ハーリー当日に用意される一般向け体験乗船や親子ハーリー体験に参加すれば、気軽にサバニ漕ぎを楽しめます。
受付時間の例(2025年)
午前10:45~12:00、午後12:45~15:30(当日先着順)
乗船料
1人300円(身長100cm以上が対象)
家族連れや友人同士で来ても楽しめるので、ぜひチャレンジしてみてください。
奥武島ハーリー 開催情報|アクセス・駐車場・問い合わせ先
【開催場所】南城市玉城奥武島(おうじま)海岸
【開催時期】旧暦5月4日
→ 2025年は5月30日(金)の開催
【本バーリー】午前8時30分~午前10時頃
西(いり)と東(あがり)に分かれて行う7番勝負
【職域ハーリー】午前10時15分~午後3時頃
各団体や職域チームによる競技
※スケジュールは天候や進行状況で変動する場合があります
【入場料】無料
【問い合わせ先】098-948-7190(奥武公民館)
<アクセス>
那覇空港から那覇空港自動車道を利用し、南風原南ICを経由して約30分ほど。空港周辺のレンタカーやタクシーの利用が一般的です。路線バスで行く場合は本数が限られているため、事前に時刻表の確認をおすすめします。
<駐車場>
奥武島内駐車場はありますが少ないです。
イベント時期は混雑が予想されますので、早めに行って確保するか、もし可能であれば乗り合わせやタクシー利用などを検討してもいいかもしれません。
奥武島名物「天ぷら」の魅力
ハーリー観戦の後は、奥武島名物の「天ぷら」を堪能してみてください。
島内には多くの天ぷら店が軒を連ね、揚げたての天ぷらが楽しめます。魚介類や野菜など種類も豊富で、お手頃な価格も魅力です。
奥武島の天ぷらは、沖縄の人たちにも人気があり混雑覚悟ですが、テイクアウトして海辺で食べるのも贅沢な楽しみ方だと思います。
奥武島周辺の観光スポット
奥武島の近隣にはオススメの観光スポットもあります。
斎場御嶽(せーふぁうたき)
琉球王国最高の聖地として知られる斎場御嶽は、2000年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産に登録された沖縄を代表する聖地です。
- 入場料:300円(大人)、150円(小中学生)
- 開館時間:午前9時~午後6時(入場券売場の営業時間)
- アクセス:那覇空港から車で約50分、奥武島から車で約10分
- 駐車場:あり(150台)
- 所要時間:約60分(入場券売場から斎場御嶽まで徒歩7-8分含む)
知念岬公園
太平洋を一望できる絶景スポットで、晴れた日には久高島まで見渡せます。青い海が映える絶好の写真撮影ポイントです。
- 入場料:無料
- 開園時間:見学自由
- アクセス:奥武島から車で約15分
- 駐車場:あり
- 所要時間:10-20分程度
ニライカナイ橋
「ニライカナイ」とは沖縄の言葉で「理想郷」を意味し、南城市知念の海と空を満喫できる絶景ドライブスポットとして人気の橋です。
- 通行料:無料
- 見学時間:自由
- アクセス:奥武島から車で約5分
- 所要時間:10-20分程度
これらのスポットはいずれも奥武島から車で行きやすい距離にあるので、ぜひあわせてチェックしてみてください。
まとめ|ハーリーで沖縄の伝統を体感
奥武島海神祭(ハーリー)は、沖縄の伝統文化を肌で感じられる迫力満点のイベントです。飛び込みハーリーやクンケーラーシーなど、ここでしか見られないレースがあります。
海神祭の詳しい様子は、なんじょうデジタルアーカイブでチェックできます。


ハーリーを楽しんだ後は、名物の天ぷらを味わいながら、島の人々との交流を深めたり、近隣の観光スポットに足を伸ばしてみてはいかかでしょうか?
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