経済面や仕事の都合で早めに職場復帰したいけれど、沖縄の「待機児童」が気になる…。 私がまさにそうでした。
わが子は2月生まれの早生まれ。
私はフリーランスで、育休手当はありません。
条件的には決して有利とは言えない中で、認可外(企業主導型)と認可保育園の両方を経験し、保活を乗り切った実体験をこの記事にまとめました。
この記事はこんな人にオススメ
- 沖縄で保活を始める妊娠中〜乳児期のママ・パパ
- フリーランス・自営業・パートなど、会社員以外の働き方をしている人
- 認可保育園と認可外(企業主導型)の違いがよく分からない人
- 「早生まれ」「激戦区」で不安を感じている人
この記事では、沖縄の保育事情のデータとともに、通わせて初めて分かった本音、園選びのポイント、フリーランスの保活で気をつけたいことを詳しく紹介します。
【データで見る】2025年、沖縄の保育事情
沖縄の待機児童数と「隠れ待機児童」
沖縄県の待機児童数は、令和7年(2025年)4月1日時点で171人と、10年連続で過去最少を更新しました。
ピーク時の平成27年(2,591人)と比べると、数字上は大きく改善しています。
一方で、全国的には待機児童数の多い都道府県の一つで、「ワースト上位」という厳しい状況も続いています。

なびんちゅ私の住んでいる地域も待機児童が多いエリアでした。
数字が減ってきているとはいえ、実際には「希望の園に入れない」「特定の年齢(特に1歳児)が空かない」といった「隠れ待機児童」も少なくないと感じます。
兄弟在園・ひとり親世帯・多子世帯などの優先順位があり、 私のように「点数は満点なのに落ちた」というケースも珍しくありません。
- ひとり親家庭
- 既にきょうだいが園に在籍している
- 生活保護受給世帯や多子世帯
沖縄で保活が大変と言われる理由
沖縄で保活が大変と言われる背景には、いくつかの要因があります。
- 共働き世帯の多さ:
県民所得が全国的に低めで、共働き・働く女性が多く、保育ニーズが高い。 - 若い世代と出生率の高さ:
出生率が全国トップクラスで、常に乳幼児人口が多い。 - 保育士不足:
保育士の給与水準が全国平均より低い
園の数は増えているものの、現場の人手不足や負担の偏りという課題もあり、「保護者も保育士も大変」という状況が続いています。
認可・認可外・企業主導型の違い
保活では、「認可」「認可外」「企業主導型」の違いを押さえておくと、選択肢を広げやすくなります。

認可保育園
- 自治体が認可
- 職員配置・設備など国の基準を満たす
- 保育料は世帯所得に応じて決定
- 3〜5歳は原則無償化
一般的な認可外保育園
- 個人・法人が独自に運営
- 保育内容や料金の自由度が高い
- 園ごとの差が大きい
企業主導型保育園
- 企業が設置(地域枠あり)
- 内閣府の助成を受け、一定の基準あり
- 認可外だが、設備・配置が比較的整っている園も多い
※従業員枠が優先され、地域枠は人数制限があるため、事前確認が重要です。
保活スケジュール【例】

4月〜7月:保育園の情報収集
- 市町村の保育課やサイトで情報収集
- 認可・認可外含めてリストアップ
- 点数制(指数)の仕組み、優先順位のルールを確認
- 妊娠中〜出産前から、ざっくりと希望エリアを検討
7月〜10月:保育園の見学・比較
- 気になる保育園を見学(私は7園ほど見ました)
- 園内の雰囲気、先生や子どもの様子、駐車場や立地などをチェック
- 認可園だけでなく、認可外や企業主導型も見ておくと、後の選択肢が広がります
10月〜12月:書類準備・申請
- 就労証明書の準備(フリーランスは自己申告書や確定申告書など)
- 入所申込書・必要書類を揃え、締切までに提出
- わが家の点数がどのくらいか、役所で確認しておくと目安になります
翌年1月〜3月:入園準備
- 選考結果を待つ
(落ちた場合は二次募集や途中入園、認可外の利用も検討) - 入園が決まったら、慣らし保育や持ち物の準備を進める
なびんちゅ0歳4月入園を狙うなら、妊娠中から情報を集めておくと安心です。
1歳入園は、0歳からの“持ち上がり”で空きが少ないことが多いため、「認可外・企業主導型の併用も前提」という感覚で動くと、少し気持ちが楽になるかもしれません。
私が直面した「保活・2つの高い壁」

仕事の都合上、生後半年での入園を目指していましたが、現実は想像以上に厳しいものでした。
ここでは、特に大きかった2つの壁について紹介します。
1. 早生まれの壁
わが子は2月生まれ。
母子手帳を交付された際に、
「4月時点で生後3か月以上でないと、一斉入所(4月入園)の対象にならない」と言われた瞬間、頭が真っ白になりました。
産後56日(8週間)の就労制限
労働基準法で、産後56日間は母は原則働けないことになっています。
さらに自治体によっては、「4月1日時点で生後〇か月以上」という条件を設けており、早生まれの子は4月入園の申し込み資格が得られない場合があります。
役所のアドバイスを受け、「5月からの途中入園」を希望しましたが、年度途中の空きはほぼゼロ。
なびんちゅ結局、0歳児クラスではずっと待機児童のままで、順番もなかなか上がらず、「このまま仕事復帰できないのでは…」と不安な日々が続きました。
最終的には翌年度の1歳児クラス、しかも二次選考でようやく希望する認可保育園に入ることができました。
【早生まれ保活で意識したポイント】
- 生後何か月から申し込めるのか、妊娠中に自治体へ確認
- 0歳4月入園が難しいなら、認可外や企業主導型も視野に
- 1歳児クラスは0歳からの持ち上がりで枠が少ないことを前提に、選択肢を広げておく
2. フリーランスの壁
私自身はフリーランスとして働いており、会社員とは違う書類や条件が必要でした。
- 就労証明書だけでなく、確定申告書や開業届、業務委託契約書などを求められることがある
- 自治体によって「最低所得(売上)基準」のようなものがあり、それをクリアしないといけない
なびんちゅ私は途中から子どもを認可外に預け、非常勤(パート)としても働き、「フリーランス+パート」のフルタイムで働いていましたが、それでも待機児童のままで、「会社員じゃないから不利なのかな…」と感じてしまうこともありました。
フリーランスで気をつけたこと・やってよかったこと
- 自治体に「フリーランス向けの基準」を必ず問い合わせる
- 開業届、業務委託契約書、確定申告書など、就労実績を証明できる書類を早めに準備する
- パート・非常勤を組み合わせて、就労時間(フルタイム)の証明を明確化した
認可外(企業主導型)に救われた0歳児期
認可の結果をただ待っているだけでは仕事ができない…そう思い、認可外保育園にも複数問い合わせ・見学。
その中で出会ったのが、生後半年から預けることになった企業主導型保育園(認可外)です。
企業主導型保育園は、認可外ではありますが、内閣府の助成を受けるために一定の基準を満たしている園です。
なびんちゅ私が利用した園も、色々見学した園のなかでも保育士の数が多く、0〜2歳の少人数を手厚く見てくれている印象でした。
認可外保育園(企業主導型)の良かった点
- 少人数で手厚い保育(これが一番のポイント)
- クラスの子どもの人数が少なく、先生が子ども一人ひとりをよく見てくれる
- 担当の先生が複数いて、送迎時にほぼ誰かがいてくれるので、毎日の様子が聞きやすい
- 丁寧な共有・日誌
- 「今日はこんなことができるようになりました」「少し機嫌が悪そうでした」など、細かく伝えてくれる
- 日誌には、食事内容(何をどのくらい食べたか)、睡眠時間、遊びの様子などが毎日詳しく書かれていました
- アットホームな雰囲気
- 0〜2歳児のみの小規模で、先生の目が行き届く
- 子どもの個性を理解してくれて、「お調子者ですよ」など、家庭では気づかなかった一面を教えてくれることも多かった
- 外遊びや活動の共有
- 晴れた日は園庭や近くの公園でよく遊ばせてくれる
- 毎週、活動の様子を写真付きで共有してくれるので、「今日はこんなことをしたんだな」とイメージしやすかった
気になったこと(食事)
一方で、離乳食に関しては少し不安に感じることもありました。
- 離乳食のステップアップが慎重で、思ったより進みが遅いと感じることがあった
- 「来月から中期食」と言われていたのが急に再来月へ延期になったり、後期食が食べづらそうだから中期に戻す方針になったりと、家庭とのスピード感の違いに戸惑うことも
なびんちゅ結果的には、「0歳児期は病気リスクや分離不安も大きいので、少人数で手厚く見てもらえたのは良かった」と今では思っています。
1歳で認可保育園へ転園して感じたこと
翌年、1歳児クラスの二次選考で、ようやく認可保育園(こども園)への転園が決まりました。
認可外(企業主導型)から認可へ移ることで、いくつか大きな変化を感じました。
認可保育園の良かった点
1. 園内調理と食育の力 (これが一番のポイント)
- 園内に調理室があり、栄養士が考えた献立をその場で調理
- 離乳食の進みが一気に良くなり、入園から1か月ほどで「後期食」から「完了食」、5月には「幼児食」へとステップアップ
- 食材やかたさの調整など、「プロの目線で子どもの食を見てくれている安心感」がありました
2. 行事や保育参観で園での姿が見える機会が多い
- 保育参観では、先生たちが絵本・おもちゃ・マット運動などをテンポよく展開していて、「これぞプロ!」と感動
- 運動会や発表会などを通して、家庭とは違う子どもの表情や成長が見られる機会が多くなりました
- 保護者面談で悩みを相談できる
3. 異年齢交流で社会性が育つ
- 0〜5歳児がいる環境で社会性を学べる
(兄弟がいない我が家には貴重な経験) - おもちゃの取り合いや順番待ちなど、ちょっとした「ぶつかり合い」を通してたくましくなっていく様子が印象的でした
4. 園内や園庭が広い
- 園庭やホールが広く、マット運動や走り回る遊びなど、体を使った活動がしやすい環境でした
認可保育園で大変だったこと
1. 児童数が多く、病気はもらいやすい
- 毎週どこかのクラスで風邪が流行
- 4月入園から1〜2週間に1度は小児科に通う時期が続きました
- 0歳から大人数の環境に入ると、感染症のリスクも高く、「0歳は認可外で良かったかも」と思うことも
2. 日々の報告がシンプル
- 児童数が多いこともあり、日誌には「睡眠時間」「食事量」など最低限の記録のみで、活動内容が書かれていない日も
- お迎え時も「さよなら」や「元気でしたよ!」の一言で終わる日が増え、「今日はどんな様子だったのかな?」と気になる。。。
- 聞けば教えてくれますが、担任が不在で詳細が分からないことも
3. 慣れるまで時間がかかった
- 人数が多い環境に慣れるまで、登園時は毎日泣いていました(約1か月ほど)
- 「場見知りがありそう」「特定の先生から離れたがらない」と言われ、親としても戸惑いがありました
- 0歳より1歳の方が「ママ」の認識があり、分離不安が強い
→ただ、数か月経つと徐々に慣れ、泣かずにバイバイできる日も増えていきました
保育園見学で重視したポイント
複数の園を見学していく中で、「ここは外せない」と感じたポイントをまとめました。
保育園見学チェックリスト

1. 清潔感・整理整頓
- 園内が整理整頓されている
- 遊具がきちんと片付けられている
- 子どものロッカーやカゴが分かりやすく整理されているか
※他の園では遊具をあえて出しておく方針のところもあったので好みによる
2. 食事・アレルギー対応食事
- 園内調理か、外部委託か、お弁当か
- アレルギーへの対応や、除去食の対応方法
3. 先生の説明・雰囲気
- 質問に対して、丁寧に説明してくれるか
- 食事の進め方や慣らし保育の方針
※話しやすい先生の園も素敵だったが、しっかりした説明に安心感
4. 子どもの様子
- 先生と子どもの雰囲気
(2〜3歳児が先生の呼びかけにちゃんと整列等) - 子ども達の活動様子
(5歳児が自分で本を取り椅子に座って読んでいる) - 他の園では、ガヤガヤしていたり、園の様子は良くても子どもの様子が気になったところもあった
5. 駐車場・通園ルート
- 駐車場が広く、停めやすいか
- 朝夕の時間帯に渋滞しやすい場所ではないか
→沖縄は車社会なので、駐車場の停めづらさや道路状況は、毎日のストレスに直結すると実感
6. 家からの距離
- 車で何分か、渋滞があるときはどのくらいかかるか
→認可外の時は片道20~30分かかり、子どもの機嫌が悪い日には10分の差が大きく感じました
7. 園庭や遊び場の環境
- 園庭があるか、どのくらいの広さか
園庭が狭くても、公園に頻繁に連れて行く園もあるので、どう遊ばせているかを確認するのがオススメ
8. 安全面・セキュリティ
- 門扉の施錠の仕組みや、園前の道路の安全性
- 防犯カメラなどの有無
(友人の話では、カメラがなさそうな園もあったとのこと)
私が最終的に選んだ認可園は、
整理整頓された印象で、しっかりとした先生方や子どもたちの様子も落ち着いていて「この園に通わせたい」と感じました。
一方で、元気な挨拶が印象的な園や、保育士さんの働きやすさに力を入れている園など、それぞれに魅力があり、駐車場や場所も含めて希望園の順位を決めました。
見学時に聞いておいて良かった質問
- 保育方針や特色
- 1日のスケジュール(資料貰えることも多い)
- 給食・おやつの内容、アレルギー対応
- 離乳食の進め方
- 慣らし保育の期間
- 持ち物(毎日の荷物量)
- 土曜保育や延長保育の扱い
- 保護者参加の行事(頻度・平日/休日)
- 病児対応(何度の熱で呼び出しか)
土曜保育と保育士さんへの想い
私が通わせていた認可外保育園は企業主導型で、「特定の企業の従業員以外の土曜保育は基本不可」という方針でした。
なびんちゅお願いすれば預けられたかもしれませんが、なんとなく言い出しづらく、土曜勤務の際は祖母に預かってもらうことが多かったです。
認可保育園に転園してからは、土曜保育の利用について特に制限はありませんが、今のところ祖母に頼める日も多く、まだ利用したことはありません。
一方で、友人の中にはこんな声もあります。
「法事でやむを得ず土曜保育を利用したら、『いつ終わります?終わったらすぐ連絡ください』と強い口調で言われ、預けづらかった」
「バランスのとれた食事も出してくれるので、保育園に預けた方が安心できる」
保育士さんの現状と保護者としての想い
沖縄の保育士さんたちの状況を調べると、平均月給や年収は全国平均より低く、一人あたりの負担も大きい。
複数の子どもを同時に見ながら、ケガのないように、安全に、楽しく過ごせるように配慮する仕事は、想像以上に体力と気力を使うはずです。
【保育士不足の原因】
- 給与水準の低さ
- 長時間労働、持ち帰り仕事
- 複数の児童を一度に見る精神的・肉体的負担
- 処遇改善は進んでいるが、まだ十分とは言えない
自分の子ども一人を見ているだけでも、「走り回る」「イヤイヤする」「なんでも口に入れようとする」「机によじ登る」など、目が離せない瞬間の連続です。
なので、複数を毎日相手にしている保育士さんの疲労は相当なものだと思います。
なびんちゅだからこそ、子どもの為だけでなく、
「家庭で見られるときは、家庭保育も取り入れたい」という気持ちもあります。
それでも、土曜日も仕事の人もいるし、親だって、たまには休息が必要です。
できれば、眠りたい・ゆっくりしたい時も保育園に預けられるほど、保育士もゆとりある配置ができ、保護者・保育士にも充実した保育環境になってくれたらいいなと願います。
まとめ:沖縄の保活を乗り越えるために
最後に、沖縄で保活をして感じたポイントをまとめます。
- 情報収集は早めに(点数制や募集状況等)
- 認可・認可外・企業主導型と選択肢を広く持つ
- 早生まれは「4月入園の対象か」と「途中入園の可能性」を確認
- 保育園の見学
- フリーランスは就労証明をしっかり準備
- 認可外にも、少人数で手厚く見てくれる素敵な園がある
- 0歳で入れなくても、1歳からのチャンスや転園の道は残ってい
沖縄県の待機児童数は少しずつ減っているものの、地域や年齢によっては、まだまだ保活が大変なエリアもあります。
でも、認可外にも素晴らしい園はあるし、認可に入ってからも新しい発見があります。
すべての子どもたちが安心して通える保育環境と、保育士さんが働きやすい環境が整っていくことを願っています。
この記事が、これから保活を始める誰かの不安を、少しでも軽くできますように。



コメント